まさかこんなに長編になるとは思っていなかった。

でもこれは嬉しい誤算。


・2022年9月4日(日)

昨晩は施設からの呼び出しもなく、予定通り8:00過ぎに母の部屋に。


おはよー、きたよー、と声をかけると、うっすらと目を開けた。

わかったみたいだね、と弟と確認する。


昨夜、夫から「明日行こうか?」と連絡が入っていた。

来れるんだったら来てもらおうかな。

持ってきてほしいものもいろいろあるし。


電話をしてあれとそれと、、、と伝える。


静岡から車で二時間足らず。

昼前に夫が到着。


ただ側にいるだけの空間に来てもらっても悪いかなと思ったけど、やっぱり一人より二人、二人より三人。

夫の存在に、私も安心する。


私たちがガヤガヤと話していると、うるさかったのか、自分も混ざりたかったのか、母がぼーっと目を覚ます。

聞こえてるんだね。



この数日、だんだん目を開けている時間が短くなって、眠りの中に帰って行くのが早くなった。


ときどき辛そうに眉間にシワが寄る。

もう一週間以上何も口にしていない体は衰弱し、体の向きを変えるのも痛そうだ。

口の中の粘膜が乾いて、スタッフの方が口腔ケアをしてくれているけれど、ほとんどでない唾液を飲み込もうとすると痛みが走るのがわかる。


いつ呼吸をやめてしまうんだろう、と思いながら手を握る。



ここは病院ではないので、心電図や心拍数を測るような、いわゆるモニター的なものは何もつながっていない。

だから、ドラマでみるような、ピーッってなることはない。


ということは、どうやってそのときを判断するんだろう・・?



呼吸が止まったら・・・と言われたけれど、トイレに行ったり、よそ見をしているうちに、このまま呼吸が止まってしまっていたらどうしようとか、いろいろ思ってしまう。





さて、それで、今日はいよいよ花火大会だ。

お母さんの胸の鼓動は、少し勢いが弱くなったものの、まだしっかり打っている。


会場近くに住む弟は、早めに帰路につかないと通行止めになってしまうというので、私と夫が残って、先に帰ってもらった。

それで、茅ヶ崎海岸からの花火をライブ中継してもらうことにした。

(ここはイベントオーガナイザー的発想で^^)



といっても、LINEのビデオ通話を使ったら、簡単だった。


19:00の開始時に母に目を覚ましていてもらうように、15分前からまたしても懐メロ作戦。

これまた上手くいって、花火のライブ中継を(どれくらい見えていたのかどうかはわからないけれど)ちゃんと目を開けて画面の方に眼球をむけていた。










母の目線の先に画面を向けて、ベッドに頭を並べて一緒に見た。

茅ヶ崎の花火大会を一緒に観られるなんて、どれだけ久しぶりのことだろう。
嬉しかった。


嬉しかったのは、きっと母も同じ。

だって、なんだかまたちょっと気力が充電されたみたいだったから。


覚悟の日曜日だったけれど、目を開けて聞いている風の母に、また明日の朝来るからね、といって部屋を後にした。

毎日後ろ髪を引かれる日々。


→母のこと⑥



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