「ネガティビティバイアス」って聞いたことありますか?
バイアスっていうのは、「かたより」とか「かさ上げ」という意味ですから、
文字通り、ネガティブなことをかさ上げして認知が偏ってしまう、ということです。
そもそも、私たちの脳っていうのは、すべてのものを見たり聞いたりしていません。
見ているようで見ていない。
聞いているようで聞いていない。
( ̄∇ ̄)でしょ?
これは、全部のことを知覚して認知して・・・ってやってると、どうも脳が疲れすぎちゃうので、人の脳が省エネをしようとするためです。
それを【選択的注意】といいます。
何を選択しやすいかというと、
・自分にとって(興味関心があって)必要だと感じるもの や
・それに関係する知識のカケラを持っている(分かりやすい)もの
です。
だから、聞いたことのないカタカナ用語が続く会話とか、初めて聞く専門用語で溢れる講座とかって、すぐ意識が遠くなってしまうわけです。
(講師としては気をつけないとね…^^;;)
・・・で、最初の「ネガティビティバイアス」に戻ると、
私たちは、全部を知覚することはできない
(脳の省エネ/選択的注意)
↓
全部が無理なら、自分にとって大事なことを優先する
↓
「大事なこと」って、ポジティブなこと?ネガティブなこと?
↓
ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報が大事でしょ?
(え、マジ?)
↓
だって、ポジティブを見落としても死なないけど、
危険や不安材料を教えてくれるネガティブなことを無視して
死んじゃったら困るもん!
おぉぉ☆ そうかーーー
・・・ってことが、ネガティビティバイアスなんですわ。
太古より、私たちが生きていく(動物として生き長らえていく)ためには、
× ポジ
「今日はこーんな大きな獲物が獲れたぞー!」
「わーい♪今日はご馳走だー」イェーイ
○ネガ
「なんかあっちの草むらでガサガサって音がしたよ」
「念のためちょっと見てくる。皆んな静かにして」・・・
っていうのが必要だったわけです。
(「えー、そんなの気のせいだよー。宴会続けようよ〜」という人たちばっかりが集まってると、その部族は生き長らえなかったはず…^^;;)
なので、私たちは、
出来てることより、出来てないことに目がいくし
(子どものテスト、良い点数より悪かった点数をどうにかしないと…ってなるでしょ?)
うまくいってることより、失敗しちゃったことが気になるし、
(あの失言さえ撤回できたらいいのに…ってぐるぐるしたり?)
よかったことよりも、苦痛を感じたことから伝えようとしたり、
(「ちょっと聞いてよー」って不平不満で会話を始める人、多くない?^^;)
ってことをしやすいのです。
その度合いは人によって異なるとは思いますが、
この「ネガティブをかさ上げしやすい」という特徴は
【生まれながらにしてもっている】ものです。
だからこそ!
あえて!
意識的にポジティブなものに目を向けて、それを生かしたり、伸ばしたり、分かち合ったりするスキルを磨きましょう!
というのが、ウェルビーイング的生き方の潮流なのです。
ポジティブ心理学の研究では、
・ポジティブ感情の多いこと
・楽観性の高いこと
・弱みより強みに注目すること
などが「幸せな生き方」と関連していることがわかっています。
そう。
「生き長らえること」と「幸せに生きること」はイコールじゃなかったのです。
ウェルビーイングな生き方って、
ネガティブには注目しないで(ネガティブはいらないから)
ポジティブになりましょう(ポジティブだけでいいんですよ)
というものではありません。
ネガティビティバイアスがあるからこそ、私たちが守られていることがたくさんあります。
でも、放っておくと、勝手に、どんどん、ネガティブな要素ばかりを拾いやすいということなので、その逆サイドを増やしていくことにも取り組んでみませんか?
という提案です。
ポジティブ感情も楽観性も強みを生かすことも、いつからでも、誰でも、出来ますから^^
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