2014年7月19日

幸せなギバーという生き方


最近読んだ本の中で、久しぶりに心が震えた(笑)本の紹介です。


『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』



世の中には、「ギバー」「テイカー」「マッチャー」の三タイプがいて、
このタイプの違いが人生の成功と幸せにどんな違いをもたらすか?
ということが【実証的に】書かれた本です。


まぁ、極簡単に言ってしまえば
「情けは人のためならず」ということを実験と調査によって証明した本
・・・とでもいいましょうか^^;


「ギバー」というのは、与える人。
常に他人を中心に考え、相手の利益や何を求めているかに注意をはらう人。
自分が受け取るよりもそれ以上に相手に与えようとする人のこと。

一方、「テイカー」は、受け取る人。
常に自分を中心に考え、相手の必要性よりも自分の利益を優先する人。
与えるより多くを受け取ろうとする人のこと。

そして、この本で初めて目にした 「マッチャー」は、バランスをとる人。
常に“公平”という観点にもとづいて行動する人。
相手の出方に会わせてギブとテイク(損得)を五分五分に保とうとする人。


人は自分の役割や相手との関係によって、この三タイプを使い分ける
<中略>
しかし仕事では、たいていの人が三タイプのうちのどれか一つになって、
人とかかわっている。

のだそうです。


もちろん、タイトルに「与える人」こそ成功する時代 とあるわけで、
三つの中ではギバーが成功するということが書かれている本なのですが、

知りたいのは、どうして惜しみなく与えることが成功に繋がるのか?
ということでしょう。



この本は、幸福について科学的データを用いて客観的に考えるという
ポジティブ心理学が土台になっています。

なので、
_ギバーの人間関係技術について も
_ギバーのお金の使い方について も
_ギバーのリーダーシップの発揮の仕方について も
実在の有名人のエピソードをもとに追跡調査されていたり、
(当然ながらみんなアメリカ人だから、有名人でも背景がわからないのが残念だけど…☆)

多くの実験や調査・・・

例えば、NHKの「幸福学」白熱教室にも出演していた
カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学のエリザベス・ダン博士たちの
朝渡された20ドルをその日の午後5時までに使わなくてはならないという実験で
一つのグループは、自分のために使い
もう一つのグループは、他者のために使うというもので、

自分のためにお金をつかっても、幸福度は変わらなかったが、
他の人のために使った人は、幸福度がかなり上がったと報告している

とか、

24歳以上のアメリカ人2800人を対象にしたある調査において、ボランティア活動をすると、一年後、幸福度、人生への満足度、自尊心が高まり、うつ病が軽減したのである。ボランティア活動をしていた65歳以上の人の場合、8年間にわたり、うつ病が減少した。

などのデータが盛り沢山で、単なる精神論ではない説明がされています。



さらに興味深いのは、ギバーであっても成功しない場合があるということ。

ギバー特有の成功法は本書を読んでいただきたいと思いますが、
ギバーを「他者志向のギバー」「自己犠牲のギバー」の二種類に分けて
データを解説されていたことは、とても納得ができました。

もちろん、これってこの違いだよね・・・と頭の中では思い描きつつ。




私が捉えたこの本の究極のポイントは
自分志向を抜け出して、他者志向になる こと。

そして、そのために最も必要なことは、
時間的に鷹揚な人になること、だと学びました。


「与える人が成功する」というロジックは、
現象として起きるまでに非常に時間がかかる ので

時間的に鷹揚な人でないとギバーにはなれない わけです。

鷹揚とは、
:鷹が悠然と空を飛ぶように、小さなことにこだわらずゆったりとしているさま。
なのだそうです・・・^^;;



自分の得意なことを、他者のために使う。
費やした時間とか働いた量とか大変だった割合とかを計算しないで(笑)
自分の得意なことを生かせる喜びと共に、惜しみなく貢献する。

見返りはいつ帰ってくるかはわからないけれど、
もしも手元に戻って来たら、その得たものはさらに還元する…

ずっと人生を俯瞰して、じんわーりゆったーり生きられたら、
それこそ幸せと呼んでいいのかもしれない・・・・ね^^



多分、一緒に仕事をしていて気持ちのいい人は、
「私、これだけやったんですから、もう●●ですよね?」とか
「前回は私がやったから今度はあなたがしてくれる番ね?」とか言わない人でしょ?^^;
(↑これらは、マッチャーの発想だね…。うん、気をつけよう…^^;)


時々思います。

自分のしていること、、、特に日頃何気なくしていることって、
結構人は見ていて、良くも悪くも評価しているなーと。

そして(これも良くも悪くも)
忘れた頃にフィードバックが手元に戻ってくるものなんだと・・・・。


とても個人的なことですが、
先日、ある方が(しかもこれまで数度しかお会いしていない方が)
ある本の一節を読んでいたときに、甚く私のことが思い出されて
どうしてもそれを私に伝えたくなったからとメールをくださいました。

拝見して・・・・涙が出ました。
心から私を応援してくれている…、そんな内容でした。
Kさん、ありがとうございました。
(というか、その一節を読んで私を思い出していただいていいんですか?的な…苦笑)



ギバー的な時間に対する鷹揚さが身につけられたとしたら、
ライフオーガナイズで語られる「人生を俯瞰してみる」ということも
より深みのあるものになるだろうと思います。

本当の意味で、人生を俯瞰することができたら、
いまある痛みも溝もほんの些細なことに見えてくるだろうから…。

そして、その試練に対して自分自身がどんな風に対応するのか、
そこからどんな価値を生み出すのかは、自分の選べることで、
「私、こんなに頑張ったんですよ!」と大声で言わなくても、
きっと誰かがみていてくれると信じよう・・・。

そんな風に楽観的に考えられることも、ギバーの資質なのでは?と思います。
(仮に誰も見ていてくれなくても、神様には全部お見通しだけどね…^^)


訳者の楠木教授も書かれていますが、読み終わったとき
「もうちょっと意識的にギバーになりたい」と思い、動き出した自分がいる。
という感覚、私も同意します^^


自分をすり減らさないで、人のために生きるってどういうこと?・・・
と思われる方には、お薦めの一冊です。



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